令和5年2月28日 委員会を開催しました
1)次年度の活動方針の検討
2)事業計画の検討
3)その他
環境という広い目線でのさまざまな講習会の開催を予定しています。 環境委員会メンバーのみによる講習会のほか、「JBN 脱炭素に向けたロードマップ」推進のため、JBN 全会員向けの講習会も企画したいと考えています。
例えば、HEAT20、CASBEE、LCCM 住宅や創エネ設等についての講習会など。
令和4 年度は会議室を使用したセミナーを行いたいと考えています。ただしコロナ禍の状況を見極めながら、ZOOM によるセミナーも行う予定です。暫定ですが、下記のような計画とします。
1)次年度の活動方針の検討
2)事業計画の検討
3)その他
令和4年11月9日に分科会を開催しました。
テーマ:「等級6・7に向けて、地域に適した温熱性能を探る」
等級6、7に向けて地域に適した温熱性能を探る、と題して事例を集めた冊子を作成しました。
この冊子は、事例を提供いただいた会社と環境委員会分科会に参加した方にだけ、
勉強会資料としてお配りしているものです。
各工務店の皆様で、断熱気密をはじめとした性能に注力されている方に加え、
これから等級6、7に取り組もうとしている方にも、地域に合った事例の参考にしていただければと思います。
令和4年10月24日・25日に、「環境委員会・次世代の会」の合同開催で
静岡県浜松市内の工務店が手掛けた新築物件やマンションリノベの視察を主体とした
ツアーを開催いたしました。
日本女子大学の細井昭憲先生をお招きして、
「ルームエアコンによる省エネルギーと快適な室内温熱環境の実現」ついてお話しいただきました。
一部概要をご紹介します。
●動作原理とモリエル線図上の理解を総合的に考えると、効率の良い運転が見えてくる。
●(冷房時の例として)凝縮温度が低いほど運転効率は良くなる。
例えば、室外機のショートサーキットを防止する
(排気を妨げない、できるだけ障害物のある所に設置しない)。
コイルに直射日光を当てない。
●蒸発温度が高いほど運転効率は良くなる。室温を高めに維持する(扇風機で補う)。
低負荷運転を除き、風量を多くする方が良いが、そうすると蒸発温度が高くなり、
室内の空気の露点温度より蒸発温度が高くなる状況が頻発するようになり、
あまり除湿をしない機械になってしまう。そうするとカラッとした空気質にならない。
カラッとした空気を求める要求はユーザーにはあるが、効率を求めると相反する部分が出てくる。
湿度環境の相互作用では検討が必要となる。
●定格の5割を切ったあたりからインバーターの能力の制御限界にきて、
断続運転によって負荷を調整する運転モードに入る。onとoffを繰り返す運転はCOPを悪化させる原因となる。
●低負荷領域で運転するということは、その部屋に対して過大なエアコンを選んでしまっていること、
住宅熱負荷との整合が重要となる。
岐阜県立森林文化アカデミー教授の辻充孝先生をお招きして、
「基礎断熱計算 省エネ法R4年度の変更点」ついてお話しいただきました。概要は以下のとおりです。
●現在の基礎断熱計算方法は5つです。
①基礎形状によらない値を用いる方法
②定常二次伝熱計算の代表的な値を用いる方法
③任意認定に係る算定法はR3.4に実装され、R4.4に性能が良くなる方向に一部変更された
④簡略計算法
⑤詳細計算法は従来から変更ない。
●①②③の線熱還流率Ψ値は地際のみ(基礎の40㎝程度ある立ち上がり部分の熱損失は含めないため、
別途計算して足し合わせる必要がある)なのに対して、
④⑤は立ち上がりも含めた線熱還流率Ψ値となっている。
①土間床上端が地盤面より高い場合、
外周部の線熱還流率Ψ値は0.99W/mk(R4.4の変更で1.57→0.99W/mkに性能アップ)。
②立ち上がり部分の熱抵抗値、ベースの熱抵抗値、折り返し寸法を用いて早見表から値を求める。
R4.4の変更で全体に性能アップ(無断熱で5割向上~しっかり断熱で2倍程度に向上)。
③建築研究所で公開しているWEBプログラムを用いて計算。
ただし建築研究所の技術情報より、
「当面の間は有識者等の専門家又は専門機関に認める範囲内で用いることができる」とされ、
住宅性能評価・表示協会のガイドラインによるとWEBプログラムの使用の可否は審査機関による、
とされている。
●基礎形状や断熱範囲の条件を変えて①~⑤の計算結果を比較した結果、
従来の詳細法は性能が良く出る傾向があり、新しい計算法の方法②③の値がより実際に近い値と考えられる。
●土間の中央部分から熱は逃げており、それを反映させたのが今回の新しい計算法である。
実際の温熱性能は基礎底盤部分からの熱損失が大きく影響しているので、
基礎断熱を行う場合は底盤にもしっかりと断熱施工をすることが必要。